ニシはオールラウンダー(仮)

サイクルフリーダムレーシング/TeamGOCHIに所属するニシの(自転車)日記です

8/25〜26 乗鞍デスライド


書こう書こうとしているうちに

いつの間にか2週間くらい経ってしまった。

夏休み番外編と称して病院見学がてら

岐阜県高山市に観光及びサイクリングに行ったのが

前回までのあらすじ( ◜◡◝ )

今回はその夏休み番外編最大の目標である

乗鞍ヒルクライムについての回想録である。

乗鞍ヒルクライムといっても

頭のおかしい(褒め言葉)くらいまぁ達が

しのぎを削るレースの方ではなく

前日にタイムとか関係なく普通に上るライド。

ただ気付いたらピークで御来光を拝む

という計画になっておりそのため

深夜に高山をスタートして暗闇の乗鞍を攻める

という「普通」とは?と思わず

哲学を始めてしまいそうになるほどの

なんともエキサイティングな乗鞍ライド計画であった。

当日は日中病院見学があったため

回らない寿司をご馳走になってから

ホテルで1時間ちょいの仮眠をとり

同行者であるりゅーたくん、りんけいくんと

0時半頃に合流し出発。

そもそもナイトライドでは街灯のある

幕張くらいしか走る気にはならず

勝手を知っているうぐいすラインですら

夜は走りに行かないというのに

今回は完全に初見でしかも街灯のない山道を

ひたすらに上っていく、ということで

千切れるすなわち死を表していたため

今回は殺意ゼロ、むしろ協力プレイの心づもり笑

出発時の天気は曇りであり雨の可能性もあったが

まあないとは思うけど?

万が一、もしね?

もし雨が降ったりしたら

乗鞍スカイラインの入り口とゴールには

利用可能な建物があるとのことだったので

もしもの時はとりあえずそこで避難して

やり過ごせばいいよね、

みたいな感じで順調に上っていき

2時半前後に入り口のバスターミナルに到着

スカイラインが通行可能になるのは3時半だったので

それまでバス待ち用の小屋で休憩。

既に標高は1000mを超えていたので

汗が冷えてくるとけっこう寒く

折良く設置してあったストーブで暖をとる。

夏でも動くようになってるんだなあ…

とか感心しながら過ごし

「ここを僕らの拠点とする!」と

完全にハイテンションな状態。

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3時過ぎに雨が降り出し、

3時半になっても止む気配がなかったので

しばらく雨雲レーダーとにらめっこして

出るタイミングを相談すること30分

4時頃に雨が止み、さらには5時半頃まで

ギリギリ雨に降られずにピーク到達できそう

とのことで満を辞して再出発。

お世話になったバス待ち小屋改め僕らの基地に

「また機会があったらよろしく」

と言い残し基地を後にした。



…まさかこの時はあのようなことになるとは

想像だにしていなかった。


スタート後しばらくは身体が暖まっていなかったので

数分軽く踏んで汗ばむレベルまで上げて

いよいよ入り口へと向かうが

斜度のなんともまあキツイことキツイこと。

これ上げなくてもよかったんじゃ…?と思いつつ

キツすぎずゆるすぎずのペースで淡々と進む。

暗闇のため視覚的に斜度を感じずに済んだのは

ナイトライドの数少ない利点だと感じた笑

先ほどの雨は鳴りを潜めており

タイミング的には完璧だったな…と

談笑しながら上っていたその矢先

ついに恐れていた事態が起きた。

最初はポツポツと始まったそれは

次第に大粒になっていき

さらには強風も出現し横殴りの暴風雨に😊

何がタイミング的には完璧だよ!!!😇

とか数分前の自分に半ばキレながらも

1時間半ほどひたすら負荷をかけ続ければ

身体を冷やし切ることなく登頂できる

と考えて入り口に向かうが

入り口では何と二輪車通行止めの表示。

明らかに天候が不順過ぎるので

何となくそんな気はしていた笑

せっかくここまで上ってきたのに…

という気持ちもないではなかったが

むしろホッとした方が大きかった、

それほどの風と雨だった☔️

そこで待機するわけにもいかないので

とりあえず引き返すことに。

ところが

・初見のコース

・かなりの斜度

・雨でフルウェット

・強風

・寒くて指が悴む

・暗闇

・霧

と完全に役満状態であり

この後のダウンヒルは本当に地獄を見た。

何故か意味不明な速さでかっ飛んでいった

りゅーたくんを見送りながら

もはや震えているのか笑っているのか

わからない状態でりんけいくんと2人

喚くように会話しながら何とか下り切り

(会話といっても「寒い」「しんどい」「死ぬ」の3語が9割を占めていた)

「またいつか」と後にした基地にとんぼ返り。

思わぬ形での再会となった(1時間ぶり)( ◜◡◝ )

この時点で全身どこを探しても

濡れていない部分はないくらいの状態で

ダウンヒルにより身体も冷え切っていたが

この基地には幸い先ほどのストーブがあり

靴やウェアを乾かしつつ暖をとることができた。

いやあ基地最高ですわ…

と思ったのもつかの間、

しばらくするとストーブ御臨終😇

どうやら冬の間に使われていた分の灯油が

ギリギリ残っていただけらしく

それが今回でついに底をついたらしい。

長らく苦楽を共にし、最早相棒と言っても

差し支えなかった友の突然の訃報に

涙と震えが止まらなかった(ただの雨と寒さ)

しばらくは余熱でどうにか我慢できていたが

沖縄帰りで寒さ耐性0だったニシは途中から

あまりの寒さに所持していた輪行袋に目をつける

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ニシ(りんこうぶくろのすがた)

幸い入れ物の袋で雨粒がシャットアウトされており

入ってみると信じられないほど暖かい。

持つべきものは輪行袋である。

ある程度身体も乾いてきたところで

3人ともここまでの疲労よりしばらく仮眠。

起きた頃には完全に空は明るくなっていたが

まだ雨模様で日光による気温上昇は望めず

さらには寝たことで体温が低下しており

完全に遭難者の気分を味わった。

雪山で寝たらダメな理由を

身を以て思い知ったような気がする。

さらにここへきて夜中のライドと

震えたことで消費したカロリーを求めて

凄まじい空腹感が出現😇

この頃にはバスでの登山者や観光客も

ちらほら見え始めていたが

まだバスの切符売り場兼食事処は開いておらず

どうやら8時に開店するらしい、とのことで

引き続き飢えと寒さで悶えながら待機し

8時を回った瞬間に即駆け込む。

食事処のおばちゃんは濡れて

ブルブル震えていた僕ら3人を見かねて

券売機が動き始める前から注文を取ってくれ

さらには暖かいお茶を用意してくれた。

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多分今まで食べた中で一番美味いうどんとお茶

もはやインスタ映えがどうとか

フォトジェニックがどうとか言ってる余裕はなく

無言でひたすらかき込んで完飲🙏

ちなみに奥に見えているのは貼るカイロ。

売っていたので即購入したが

よくよく考えたら8月だったりする🤔🤔

内側から暖まった上にカロリーも摂取したところで

なんと通行止め解除の朗報が。

雨も止んでおり風も弱くなったようで

おばちゃんに何度もお礼を言いながら

早速支度をしてリベンジ。

明るくなってから見ると昨日の道は

大きく九十九折っていた、初知り。

通行ゲートまでの距離感や斜度は

深夜に捨て身のマッピングで把握していたが

雨に打たれ寒さで震え空腹に苦しんだので

これでもかというほどコンディションが低下しており

雨の中上った1回目よりも全然身体が動かない…

3人で駄弁りながら上っていた区間

ハアハア言いながらどうにか消化していき

もはや何でこんなところまで来たんだ

とか頭の中で思いつつも無心で上り続けていると

次第に景色が見え始め、さらには曇り空に

ちょくちょく陽が射すようになってきた。

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気付けば路面はドライに。

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雲もどんどん少なくなっていく。

そして奥ではいつものごとくりんけいくんが

お尻を突き出していたり。ほんと懲りない☺️

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新旧ごちジャージ

ヘルメットの色が新ジャージと

めちゃくちゃマッチしていて最高

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こうやって上ってきた道が眼下に見えると

すごく爽快感があるよね。

上っている時にこれから上る道が見えると

全く逆の感想を抱くけども笑

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標高に比例してグロッキーになるりんけいくん

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そして気付けば森林限界

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個人的にお気に入りの1枚

THE 天空 って感じの風景である。

そしてお気付きのことと思うが青空である。

逆転勝利の瞬間であった。

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乗鞍岳の名所その1 畳平

標高2700mは未知の領域だった。

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その2 大雪渓

スキーしてる人がいてすごいなあってなったが

多分向こうからすれば自転車乗りも大概なんだろう


と数時間前受けた致命的なダメージを

黙々と癒してくれる絶景の数々であった。

2700mということで気温が低く風もあったが

同じ寒さでも全く気にならないレベル笑

思う存分景色を堪能した後は

松本側へ下るという2人と分かれ高山側に下り返す

荷物がなければ2人と一緒に松本に下りたかったが

せっかく高山に下ってきたんだし、

ということで帰る前に食い道楽

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飛騨牛の牛串&肉寿司

それなりのお値段がしたのだが

これでタガが外れてしまったニシ

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帰りの車内では1人で宴を催すなどして

最後まで高山を満喫してしまった。

ちなみに飛騨高山地区の地酒は

どれもこれもびっくりするほど美味しかった。

今度は飲み比べしにいきたい。

と何やかんやしているうちに東京着

千葉には日付が変わる前に帰ることができた。

新幹線様様である🙇🙇🙇

自転車に乗り始めて乗鞍を知ることがなければ

一生行くことのなかったかもしれなかった高山だが

今回の旅行?では自転車以外でも

色々な楽しみを堪能することができ

夏休みの締めとしてはこれ以上ないほど

充実したものとなった。

アホみたいに雨に降られて凍えもしたが

高山のおかげで今となってはいい思い出である

正直1人だったら確実に泣きながら

高山まで下っていた可能性もあるが

3人でいたおかげで楽しい思い出にすることができた

といっても2度と深夜に濡れ鼠で

標高1000m台をうろつこうとは思わないが( ̄▽ ̄)


しかし今回は本来行く予定だったが

時間や体力の都合上泣く泣くカットした箇所もあり

今度はそちらも攻めに行けたら、と思う。

いつになるかは知らないが

きっとまたいい思い出になることだろう。

2人とも本当にありがとう😊